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医療空間における癒しのデザイン:患者中心の設計

#店舗・クリニック

医療施設のデザインは、患者様の快適さと回復を助けるために、どのように環境が影響を与えるかを考慮して設計されています。本記事では、美しいだけでなく機能的にも優れた医療空間設計の重要性について株式会社SPACE PRODUCEが解説します。


1. 快適な環境が治療効果を高める

医療施設のデザインでは、患者様が感じる心理的な影響を最大限に考慮することが求められます。特に、環境が与える心理的な安心感は、治療の効果を高めるために不可欠です。心地よい色合いの選択や照明の管理により、リラックス効果を引き出し、患者様のストレスを軽減することは、療養生活において大きな役割を果たします。


柔和なブルーやグリーンなどの色は、視覚から入る刺激を穏やかにし、心身のリラクゼーションを促進します。これらの色は、待合室や診察室に取り入れることで、全体的な安らぎの空間を作り出すことができます。


デザインアプローチは、美観を追求するだけでなく、実際に患者様の心身にプラスの影響を与えることを目的としています。療養中の患者さんが毎日過ごす空間であるからこそ、細部にまで気を配り、穏やかで心安らぐ環境を提供することが、私たち空間プロデューサーに求められる責任です。これにより、医療施設はただの治療の場ではなく、患者様が心から安心して過ごせる空間へと変わります。



2. 効率的な空間利用と機能性

医療施設のデザインにおいて、医療スタッフの動線の効率化と患者様の安全の確保は、最も重視されるべき点です。待合室や診察室の配置は、患者様のプライバシーを守ると同時に、緊急時に迅速に対応できるよう工夫する必要があります。このために、診察室へのアクセスを直接的かつプライベートに保つルートを設計し、待合室からも視覚的に分離しつつアクセスしやすい配置を考慮します。


また、医療施設内では感染症のリスクを低減するため、清潔を保ちやすい材質の選定も重要です。床材や壁材には、抗菌性が高く、簡単に清掃できる材質を選ぶことが望ましいです。


無孔質の床材は、表面に細かな穴や孔が存在しないため、液体や汚れが浸透しにくい材質です。これにより、清掃が容易で衛生的な環境を維持しやすくなる特性を持っています。無孔質の床材は、医療施設や研究施設など、衛生環境が非常に重要とされる場所でよく使用されます。


具体的な例として以下の床材があります。


ビニールシートフローリング

 - 水や汚れが表面に滞留しにくいため、拭き取りが容易です。

 - 表面が滑らかで、抗菌加工が施されていることが多く、手術室や診察室などで広く利用されています。



エポキシ樹脂フローリング

 - 高い耐久性と化学薬品に対する抵抗力を持つ床材です。

 - 表面が非常に硬く、滑らかで、穴や隙間がないため、バクテリアやカビの繁殖を防ぎます。

 - 研究室や製薬会社の生産施設など、厳しい衛生管理が求められる環境に適しています。


 

ポリウレタンフローリング

 - 柔軟性がありながらも表面が硬く、密封性が高いです。

 - 耐水性や耐薬品性に優れており、清掃が簡単で衛生的な環境を維持しやすいため、公共の医療施設や老人ホームなどに使用されることがあります。

 

これらの床材は、医療施設の衛生環境を保つ上で非常に有効であり、日常のメンテナンスがしやすく、長期間にわたって清潔な状態を保つことができるため、多くの施設で採用されています。

 

これらの要素を適切に組み合わせることで、患者様と医療スタッフが共に安心して過ごせる効率的かつ安全な環境を提供することができます。利用者の動きや安全を常に考慮した設計を心がけることが重要です。



3. 自然要素の取り入れ

自然要素の導入は、患者様にとっての心地よさを大幅に向上させる手段として、非常に効果的です。緑豊かな植物やさざめく水の音は、訪れる人々に穏やかな安らぎを提供し、心身の緊張を解放するための重要な役割を担います。


例えば敷地にスペースがある場合は、内庭に小さな池を設けることで、水の流れる音が常に周囲に響き渡り、訪れる人々の心を落ち着かせます。また、病室の窓から見える緑の景色は、患者様の心にポジティブな影響を与え、ストレスの軽減とともに回復を促進する効果があります。

 

ロビーや共有スペースに大型の観葉植物を置くことで、空気の浄化はもちろんのこと、空間に生命感と温もりをもたらします。こうした自然との調和は、医療施設における体験を向上させ、訪れる人々にとっての満足度を高める効果があります。



4. 照明と視覚的快適性

特に診療室や診療室では、柔らかい間接照明を使用することで、視覚的な快適性を高め、患者様の精神的なリラクゼーションを促します。また、動線上には明確なガイダンスを提供する照明を設置することが重要で、具体的には、廊下やトイレ等の道筋には、足元を照らすライトを配置し、移動を安全に支援します。また、治療室内では、必要に応じて明るさを調整できる調光機能付きの照明を導入することで、様々な治療シーンに適した光環境を提供できます。


医療施設内の照明は、単に明るさを提供するだけでなく、患者様の心理的な快適さも同時に考慮した設計が求められます。照明自体が環境に大きな影響を与えるため、適切な光の管理は、様々なプロセスを支援するために不可欠です。



まとめ

医療施設の内装デザインは、患者様の快適性と治療の効率を向上させるために、心理的な安心感を提供する色彩の使用、効率的な空間利用、自然要素の導入、照明計画、そして社交的な空間の整備に焦点を当てるべきです。これらの要素が組み合わさることで、医療施設はただの治療場所ではなく、患者様にとっての癒しの場所として機能します。

 

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