オンラインカウンセリングと併用するクリニック設計

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オンラインカウンセリングと併用するクリニック設計

美容医療の現場では、予約からカウンセリング、アフターフォローまでをオンライン化する動きが加速しています。来院時には施術だけに集中できる設計を実現するには、デジタルと空間をどう融合させるかが重要です。本稿では、オンラインカウンセリングを前提とした新しいクリニック設計の考え方を、株式会社SPACE PRODUCEの小林佐理が解説します。

来院前に「信頼」を設計するデジタル導線

オンラインカウンセリングの普及により、患者さまは来院前にすでに医師や施術方針を理解した上で来院するケースが増えています。
その分、クリニック空間に求められるのは「初対面での安心感」よりも、「オンラインで築いた信頼を裏切らないリアル体験」です。

例えば、オンラインで見た待合室の写真と実際の空間が一致していること。
カウンセリングで使用したデジタル資料を、そのまま来院時のモニターで共有できること。
こうした一貫した体験設計が、患者さまの心理的負担を軽減し、医療スタッフの皆さまの業務効率をも高めます。


「デジタル接点」を前提にしたゾーニングの再構築

従来のカウンセリングルーム中心のゾーニングから、オンライン前提の設計へと再構築する動きが進んでいます。
来院前にカウンセリングを終えた患者さまに対しては、「即施術」にスムーズに移行できるよう、動線を短縮し、プライベート導線を強化する設計が有効です。

また、オンラインでカウンセリングを受けた方が安心できるよう、受付周辺にはデジタルサイネージを設け、再確認用の動画やシミュレーションを流すなど、“確認できる空間”を整えることも効果的です。
単なる「機能」ではなく、オンラインとオフラインが自然につながる空気感の設計が鍵になります。


医療スタッフが「デジタルを活かせる」空間づくり

オンラインカウンセリングの成功は、医療スタッフの皆さまがストレスなくデジタルを活用できる環境にかかっています。
音声が反響しにくい壁材の選定や、モニター配置の目線設計、照明の色温度など、細部の積み重ねが「印象の良い画面体験」につながります。

実際に、国際ハートスリープクリニックつくばでは、オンライン診療を前提とした照明設計を導入し、顔映りを最適化。患者さまから「画面越しでも表情が柔らかく見える」と評価されています。
このように、物理的な環境がデジタル体験の質を支えていることを、空間設計側が理解しておくことが重要です。


「オンライン完結型」への過渡期をどうデザインするか

完全オンライン診療が主流になるには、まだ時間がかかります。
だからこそ、今は「ハイブリッドな運用」を見据えた設計が最も現実的です。
対面・オンライン双方に対応できる空間をつくることで、将来的な拡張やリニューアルにも柔軟に対応できます。

具体的には、可動間仕切りを用いたフレキシブルなルーム構成や、モニター接続を前提とした電源レイアウト、オンライン専用スペースの遮音性確保などが挙げられます。
これらはすべて、単に便利さを追うのではなく、患者さまが「時間を無駄にしない」と感じられる設計思想です。


最後に

オンラインカウンセリングとリアル空間の融合は、美容医療における“新しい信頼の形”です。
デジタル技術が進んでも、「人の安心感」は空間から生まれます。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装にとどまらず、クリニック運営に関わる皆さまに向けて、より価値ある空間デザインをご提供いたします。