バッグやコートを置く瞬間の信頼感

#店舗・クリニック

クリニックを訪れる患者さまは、受付や待合室の雰囲気だけでなく、ほんの小さな所作からも印象を受け取ります。
その一つが「バッグやコートを置く瞬間」です。荷物を安心して預けられると、人も施術も丁寧に扱われているという感覚につながり、信頼感が生まれます。この記事では、荷物置きやハンガーなどの細部がクリニックデザインにおいて大切かを株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
 

荷物を置く瞬間が信頼を生む理由

結論から言えば、患者さまが持参したバッグやコートを「どう扱えるか」によって、空間全体への信頼度が大きく変わります。理由は明確で、大切な持ち物がぞんざいに扱われれば「自分自身も同じように扱われるのでは」と無意識に感じるからです。逆に、丁寧に置ける環境が整っていると「ここなら安心して任せられる」と思えるのです。
 

適切な高さと質感が与える安心感


荷物置きは高さが低すぎても高すぎても不便です。腰を大きく曲げる必要があると負担になり、逆に高すぎると置きづらくなります。床から50〜60cm程度に設置することで、自然な姿勢でバッグを置けます。
また、素材や質感も重要です。スチール製の無機質な棚では冷たい印象を与えがちですが、木目調やレザー調の仕上げは温かみや高級感を演出できます。わずかな触感の違いでも「大切にされている」という気持ちが生まれます。
 

コートハンガーの工夫で“扱われ方”を変える

冬場にはコートをどう扱うかも信頼感を左右します。ぐらつく安価なハンガーラックでは、重たいコートを掛けたときに不安を覚えます。一方で、壁面一体型や安定感のあるスタンド型ハンガーなら、しっかりと支えられている印象を持たせられます。

さらに、木製のハンガーを用いることで「ホテルのクロークのような上質さ」を感じさせることができます。これもまた「人も大切に扱ってもらえそうだ」という心理につながります。
 

具体的な設計ポイント

実際のクリニック設計においては、次のポイントを意識すると効果的です。

● 荷物置きの高さは50〜60cm:自然な姿勢で使用でき、無理のない動作を実現。
● 素材は温かみと耐久性を両立:木目調、レザー調など、清潔感と高級感を兼ね備えたもの。
● 配置は患者さまの動線を妨げない位置:入口やカウンセリングルームの隅に設けると安心感を演出。
● コートハンガーは安定性を重視:見た目のデザイン性よりも、まず安心して預けられる構造。


これらはインテリア要素ではなく、患者さまの心理に直結するデザイン要素です。

最後に

クリニック空間は、施術室や待合室といった大きな枠組みだけでなく、荷物を置くわずかな瞬間から信頼感をつくり出します。小さな配慮が積み重なることで「またここに来たい」と思っていただけるのです。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装にとどまらず、クリニック運営に関わる皆さまに向けて、より価値ある空間デザインをご提供いたします。