季節感を持たせない清潔設計

#店舗・クリニック

美容クリニックに求められるのは華やかさよりも「毎回同じ清潔さ」と「変わらない安心感」です。季節装飾を取り入れると一時的な華やかさは得られますが、衛生面や運用面での負担が増すことも少なくありません。本記事では、一年を通して“常に同じ清潔感”を維持する「季節感を持たせないデザイン」の強みを株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
 

一貫性が信頼を生む

季節に合わせた模様替えを行わないことで、院内の雰囲気は常に安定します。来院するたびに同じ印象を受けることで、患者さまは「管理が行き届いている」と感じやすく、診療そのものへの信頼にもつながります。
 

三つの利点:衛生・運用・心理

1. 衛生面

 装飾物は埃や汚れの温床になりやすいものです。飾りを排したシンプルな内装は清掃が容易で、常に清潔な状態を保ちやすくなります。

2. 運用面

 模様替えや装飾品の管理が不要になるため、医療スタッフの皆さまは本来の医療業務に集中できます。備品や装飾の在庫管理も減り、運営効率が向上します。

3. 心理面

 色や照度が一定であることで、患者さまは「前回と同じ状態」に安心感を抱きやすく、落ち着いた気持ちで施術に臨むことができます。

 

実現のための具体的ポイント

● 素材選び

 拭き取りやすい壁材や、継ぎ目の少ない床材を採用することで汚れを防ぎ、衛生性を高めます。

● 色設計

 基調色は明るいグレーやオフホワイトを中心に、明度反射率(LRV)60〜80を目安とすることで季節や光環境の変化に影響されにくい空間を実現できます。

● 照明計画

 受付や通路は300〜500lxの明るさを確保し、カウンセリングルームは間接照明でグレアを抑えます。色温度は4000K前後を基準とすると、一年を通して安定した見え方になります。

● サイン・装飾

 季節に左右されるモチーフは避け、抽象的で時間に依存しないアートやサインを配置することで長期的に使えるデザインに。

● 音と香り

 BGMは45dB前後の落ち着いた音量に設定し、香りは無香〜ごく微香に抑えることで、誰にとっても快適な環境を保ちます。
 

清掃とメンテナンスの工夫

● 清掃ルートが短くなるよう、直線的な動線を確保。
● 日次・週次での清掃項目をリスト化し、スタッフ間で状態を共有。
● 「基準写真」を作成し、開院前に配置や照度を確認することで品質を一定に保つ。
● 色票や写真による定期的な状態チェックを行い、経年劣化や汚れを数値化して改善に役立てる。
 

最後に

「季節を感じさせないデザイン」は、患者さまにとっては常に安心できる清潔な空間となり、運営側にとっても効率的で持続可能な選択です。空間そのものを“変わらない価値”として設計することが、信頼を積み重ねる近道となります。

ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装にとどまらず、クリニック運営に関わる皆さまに向けて、より価値ある空間デザインをご提供いたします。