足音が響かない空間設計

#店舗・クリニック

クリニックの空間設計では、視覚的な美しさだけでなく「音のデザイン」も患者さまの心に強く影響します。ヒールや靴音が響く床は落ち着きを損ない、逆に静けさを感じられる空間は信頼感を高めます。本記事では、空間デザイナーとしての経験を踏まえ、足音をコントロールする設計の重要性と具体的な工夫について株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
 

足音が与える心理的影響

まず結論として、足音が響かない空間は「安心と信頼」を患者さまに与えます。人は無意識のうちに周囲の音から環境を評価しており、特に医療機関では小さな物音が不安を増幅させることがあります。ヒールのコツコツとした音や床材に反響する硬質な音は、緊張感を高めやすいため、静けさを演出する工夫が欠かせません。
 

静けさを支える設計のポイント


私自身が数多くのクリニックを設計してきた中で強く感じるのは、床材と下地の選択が最も大きな差を生むということです。柔らかさのある素材や吸音性能を持つ床材を選び、さらに下地に遮音層を組み込むことで、音の伝わり方を大きく軽減できます。

また、通路とカウンセリングルームの間に緩衝空間を設けることで、待合室からの足音や動きが直接伝わらないようにする工夫も有効です。こうした設計は、医療スタッフの皆さまにとっても働きやすい環境につながります。
 

静けさがもたらす信頼感

音の配慮は患者さまの安心感だけではなく、クリニック全体の信頼度を高めます。静かな環境は「丁寧に設計されている空間」という印象を与え、高額な施術や長期的な通院にもつながりやすくなります。私が携わったあるクリニックでは、床材と遮音設計を徹底した結果、「落ち着いて相談できる」との声が増え、契約率の向上につながりました。これは数字では測りにくい部分ですが、経営に直結する価値を生み出します。
 

最後に

足音を抑える工夫は見た目のデザイン以上に、患者さまの心に残る「静かな安心感」を形づくります。床材や下地にどのような工夫を盛り込むかで、信頼の空気感は大きく変わります。
ぜひ お問い合わせフォーム からお気軽にお問い合わせください。

株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、医療スタッフの皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。