好きな「場所」がある職場は、なぜ働きやすいのか?

#従業員エンゲージメント

日々同じオフィスで過ごしていても、「ここにいると落ち着く」「この場所が気に入っている」と感じられる空間があるだけで、働く方の気持ちには大きな違いが生まれます。実はこの“ちょっとした好み”こそが、働く環境を根本から見直すきっかけになるかもしれません。
本記事では、株式会社SPACE PRODUCEが、その理由と背景を解説します。
 

好きになれる「場所」があることの力

働く方が「この場所が好き」と思える空間があると、自然とオフィスへの愛着が深まり、離職の抑制にもつながります。
人は自分が心地よいと感じる場所には、自然と足が向かいます。それは自宅であれ、カフェであれ、オフィスでも同じです。中でも、「この椅子に座るとホッとする」「ここからの眺めが気に入っている」といった主観的な好感は、職場への帰属意識を強くします。

たとえば、窓際に設けた一人用のベンチスペース。静かに考えごとをしたいとき、そこを選ぶ方が多ければ、その場所には“意味”が生まれます。結果として、「自分の好きな場所があるから、この職場がいい」と感じる気持ちが定着します。これは数字や設備では測れない“感情的価値”のひとつです。

経営者の皆さまが意識的に「誰かのお気に入りの場所」をつくっていくことで、オフィスそのものが“選ばれる場所”になります。
 

デスク以外に居場所をつくるという考え方


「デスク=作業場所」という固定概念を外すと、働く方の行動の選択肢が広がります。
最近では業務が多様化し、デスクでの作業以外にも、集中・対話・リフレッシュといった目的ごとに場所を選びたいという声が増えています。

作業内容に合わせて空間を使い分けられると、パフォーマンスの質が向上します。
たとえば、簡単な打ち合わせのために、椅子だけのミニコーナーを設ける。あるいは観葉植物で囲まれたコーナーに、深めのソファを置いてみる。それだけでも「ここ、なんか好きだな」という感情が生まれるのです。

目的に合った“選べる空間”があることで、オフィスは単なる作業場ではなく、創造性やコミュニケーションが自然に広がる場となっていきます。
 

個性の違いを受け止める空間設計

誰にとっても心地よい空間づくりより、「誰かにとって特別」な空間をいくつか用意することが、オフィスデザインの鍵です。
人それぞれ心地よさの感じ方は異なります。静かな場所を好む方もいれば、にぎやかなエリアが好きな方もいます。全員にとって“最適”な空間をつくることは困難でも、選べる場を用意すれば、それぞれの「好き」に応えられます。

小さなライブラリースペース、足元にラグを敷いたフロア、立って作業できる高めのカウンターなど。空間の種類が複数あるだけで、「ここが自分の場所だ」と感じる瞬間が生まれます。

一人ひとりの多様性に寄り添う空間は、「この会社にいる意味」をさりげなく支える存在となります。
 

「オフィスらしさ」から少しだけはみ出してみる

遊び心や予想外の要素がある空間は、働く方の心に印象を残します。

「これは仕事の場所だから」と割り切ってしまうと、空間は画一的になります。しかし、働く場に少しだけ“非日常”の要素を取り入れることで、自然と気持ちにゆとりが生まれます。こうした柔らかなデザインが、感情に働きかけるのです。

木の温もりが感じられる造作のベンチ、壁一面に描かれたアート、使うたびに少し気分が上がるようなパントリーなど。日常業務の合間に小さな驚きや喜びがあると、従業員の皆さまの“職場に対するまなざし”が変わります。

効率性だけでなく、“ちょっと気が利いている”と思わせるデザインが、働く方の意識や行動を自然に前向きに導いてくれます。
 

最後に

働く方が「この場所が好き」と思える瞬間を、空間の設計で支える。実はそれが、職場の魅力を最大化する一歩かもしれません。小さな気づきの積み重ねが、働く方の満足度や、組織への信頼感に深くつながっていきます。

空間づくりは、単なる配置や内装の話ではなく、会社の未来を形づくる大切な要素です。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。