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ウィズコロナ、ニューノーマル時代のオフィス・デスクレイアウト

#ニューノーマル

コロナウイルス感染症による感染者の推移は一時のピークを過ぎたかもしれませんが、上昇と下降を繰り返しており、いまだにその終わりは見えてきていません。だからこそ、それが存在することを踏まえた生活様式が必要となり、その「生活」の中には「仕事」や「職場」も含まれます。ここでは、ウィズコロナ時代のオフィスレイアウトはどうあるべきかを見ていきます。

厚生労働省が発表した「新しい生活様式」の実践例とは


①厚生労働省が発表した「新しい生活様式」は以下の通り。
・人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
・会話をする際は、可能な限り真正面を避ける。
・外出時や屋内でも会話をするとき、人との間隔が十分とれない場合は、症状がなくてもマスクを着用する。ただし、夏場は、熱中症に十分注意する。
・家に帰ったらまず手や顔を洗う。人混みの多い場所に行った後は、できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。
・手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)。

②厚生労働省が発表した「働き方の新しいスタイル」は以下
・テレワークやローテーション勤務
・時差通勤でゆったりと
・オフィスはひろびろと
・会議はオンライン
・対面での打合せは換気とマスク

ウィズコロナのオフィスレイアウトを考える上で特に意識しなければいけないのは、(1)(2)です。これを満たすためには、オフィス の一人当たりの面積が広くならざるを得ないでしょう。また、「働き方の新しいスタイル」からもわかるように、オフィス環境だけでなく様々な制度、システム、ルール設計が必要になりそうです。

※ 引用

リモートワークとオフィスワークの併用


前述の通り、オフィスにおける1人のワーカーに占める面積は、感染対策を意識する上では広くならざるを得ないのが実情です。その場合、オフィスの増床が可能な企業はそうするかもしれませんが、誰しもがその選択をできるわけではありません。だからこそ必要なのが、ABW(仕事内容や気分に合わせて、働く場所や時間を自由に選ぶ働き方)であり、特にリモートワークの導入です。職種や業務内容的に必ずしもオフィスで働く必要はない社員には、自由に働く場所を選べるような仕組み、システムで対応することで、床面積の不足をカバーするべきです。

タイプ別のデスクレイアウト

2020年4月以降、リモートワークが定着してしばらくの時間が過ぎ、オフィスの重要性もわかってきました。以下に、これからのオフィスは、どのようなポイントを意識したデスクレイアウトが求められるのか、いくつかの型毎に紹介していきます。

アイランド(島)型レイアウト

日本のオフィスでよく見受けられる形式で、横一列に並んだ机が対向で向き合った配列になります。学生時代の給食の時の机の並べ方をイメージしてもらうとわかりやすい。

(メリット)
同じ部署、チームなど、業務を共有しているメンバー同士のコミュニケーションが取りやすい。

(ポイント)
視線や会話、人との距離感など、集中しずらさやプライバシーの確保などのケアが必要。前述の2m(最低1m)を実現するには、適しにくいレイアウトです。飛沫が飛ぶの観点からも課題が残ります。しかしながら、パーテーションなどを活用することで、そうした課題に対策を打つことはできそうです。それら対策を施すことにより、各人のデスクが個人ブース化に近い形になることから、集中力やそれに伴う生産性の向上などのメリットが期待できそうです。

同行型レイアウト

大学の講義室などで見られるように、着席時に座っている人間が同じ方向を向くようになっている配列です。

(メリット)
個人作業などは集中して臨みやすい。また感染症対策としては、列の距離感が確保できれば、飛沫対策において、アイランド型よりも一日の長がある。

(ポイント)
学校生活の中で、授業中は友達と話しにくかった反面、給食時間は向き合わせに座って会話を楽しめたと思います。つまり、デメリットとしては直接的なコミュニケーションが取りにくいということ。ですが、ビジネスチャットツールなどの導入で、そうしたコミュニケーションの希薄をカバーすることで、デメリットをカバーできるでしょう。

背面型レイアウト

「コの字」や平行に机が並び、それぞれが背を向けた座るレイアウトです。

(メリット)
振り返ればコミュニケーションも取りやすく、デスクに向かうときは集中もしやすい。飛沫の観点からも優れたレイアウト。

(ポイント)
「コの字」の空間だけ(平行も同様)を見れば、ウィズコロナに適したレイアウトと言えるかもしれませんが、それぞれの正面の空間をどうするのかが課題。すぐ近くに別の「コの字」の空間があるのであれば、向き合っている場所を切り取ると、それはアイランド型と同じになってしまいます。十分な床面積がある中で実践するか、パーテーションなどで空間を仕切る必要がありそうです。

フリーアドレス

レイアウトとは意味を異にしますが、社員が自身のPCとともに好きな場所で働くことができる制度です。

(メリット)
社員がその日、またはその時の作業内容によって仕事をする場所を選べる仕組みですが、感染対策としても、個人が自由に蜜を回避することができます。

(ポイント)
自由度高く働けること、固定席による閉塞感などの観点から導入する企業が増えている制度です。ただし、オフィス家具などを介した感染も考えられるため、使用前・使用後の消毒などの徹底したいところです。

まとめ


感染症対策の観点と合わせて、代表的なレイアウトを取り上げましたが、結局のところどういうレイアウトにするかは、その会社のオフィスの面積、社員の数、仕事内容の割合(デスクワーカーが多い、外出が多いなど)によって、何を採用するかが変わってきます。複合的に取り入れる必要があるケースもあるでしょう。それぞれの会社にどういうレイアウトが適しているか、またその後の成長性なども踏まえて考えるとなると、一社員が考えるには専門性が高い問題です。レイアウト変更を考えているなら、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか。