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上司や同僚とのコミュニケーションが上手くいかない。そんな社員の悩みを解決するオフィス

#従業員エンゲージメント

社内コミュニケーションが上手くできている方が、労働環境として良いのは言うまでもありません。人には走るのが遅い人もいれば速い人もいるように、コミュニケーションの得意、不得意にも個人差があります。もちろんそこには個人の成長、そのための一定の努力は必要ですが、それがある前提の上で、企業もその成長を促しやすい環境を用意するべき。では、オフィスは社内コミュニケーションを円滑にするためにどのようなことができるのか。詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションが上手くいかないことによる問題点


コミュニケーション不足もある程度の経験や時間の経過、訓練を積むことで、一定の成長と改善は見られるものの、その成長を待てずに社員が辞めてしまうことも頻繁に起こっています。これは雇用者、被雇用者双方にとっての損失。たとえば、長期の労力を掛けて採用した新卒社員が、成長する前に辞めてしまっては、採用担当者の労力は水泡に帰すというものです。なぜなら、少子高齢化は進む一方の日本社会において、人材獲得と人材流出を阻止することは企業にとって、大切な項目となるからです。

コミュニケーションが上手くいかない理由


相手が上司であろうと、同僚であろうと、コミュニケーションが上手くいかない理由は大きく2つに分かれます。それは「相手に起因する」のか「自分に起因する」のかです。理想論としては、相手を「自分」で変えることは簡単ではありませんので、自分がどうする対応するかで、改善できることは多そう。しかし、それができるのであれば誰も悩んだりしないことでしょう。

ですが、自分に起因する場合の原因がわかっているならば、対策を取れる可能性があるのも事実。例えば上司に相談すると、「こんなこともわからないのか」と怒られてしまうかもしれない。「同僚たちの前で怒られたくない」。そんな感情によってコミュニケーションが取りづらくなり、悪循環に陥っているという人もいます。

このケースをもっと深掘りして「こんなこともわからないのか」と言われてしまう不安はどこから来ているのかを考えると、恐らく最初の業務説明等のタイミングで理解を深めるための質問ができていなかったということもありえるでしょうし、そもそも、「どういうところで怒る人なのか」すらわかっていない、関係値の不足から不安を感じているということもあると思います。結局のところは、対話不足によってコミュニケーションが上手くいかないという連鎖が起こっているのだと考えられます。

コミュニケーション不足の解消のために、会社ができること


前述のケースの場合、会社がそれを回避するためにできることとして、「十分に会話ができる空間」や「第3者の存在を意識せずに済む空間」を用意することができたでしょう。

また、オフィスは社員が1日の三分の一にあたる時間を過ごす場所ですから、仕事のこと以外の会話、コミュニケーションも発生します。そうした“雑談”によって、上司や同僚のパーソナルな部分を知ることができれば、関係値も深まるというもの。また、そこでの会話が新たな事業へのアイデア、ヒントとなることもありえる(セレンディピティ)訳ですから、普段のワークスペースとは異なる環境を用意することは、今後の個の活躍を期する意味でも有益な空間となるはずです。

人間の得意不得意はさまざまなので、社員の数に応じた施設を用意することは難しいですが、多目的に使える空間などを用意することである程度の汎用性高さを担保できるようになります。

コミュニケーション不足解消のためにオフィスが提供できる空間


「十分な数のミーティングルーム」
社員数が多ければ多いほど、1日の来客数が多ければ多いほど、ミーティングルームの予約は一杯になり、いわゆるミーティングルーム難民が増えてしまいます。効率的な運用ルール、予約システム導入などとともに、一定数の量を用意してあげると良いでしょう。

「カフェスペース」
会話をするにも、カフェのような心落ち着く空間は自身をリラックスさせ、対話をしやすい環境となるでしょう。周囲には、そこで仕事をしている人もいますので、スペースの利用上のルール決めなどは必要になるでしょう。

「多目的に使えるオープンスペース」
ちょっとしたプライベートな話をするとき、ミーティングルームが予約で埋まっている場合など、自由度高く利用できるスペース。半個室的なファミレス席のように、しっかりした空間を設けるのも良いですし、空いているスペースにテーブルと椅子を用意した簡易なものでも役立ちます。

「ビジネスチャットツール」
リアルな空間に限らず、オンライン上の対話空間もコミュニケーション不足を解消する有効なツールとなります。ただし、文字面だけでは相手の表情まで読み取ることはできないため、だからこそ実空間であるオフィスの存在は重要性をましているのも事実です。

まとめ


結局のところ、コミュニケーションが上手くいかない原因は「コミュニケーションが不足しているからこそコミュニケーションが取りずらくなってしまう」ということですが、冒頭に述べたようにコミュニケーション力は人それぞれですし、オフィス内では必要以上に空気を読んでしまって「会話がしにくい」ということも起きています(「シーンとしていて質問しづらい」など)。それならば、企業はもっとオフィス環境で会話を誘発させるための努力をしても良いはずです。オフィスはただワークスペースがあれば良い空間ではないと認識すべきでしょう。