企業が長い年月をかけて育んできた理念やビジョンを、従業員の皆さまへ着実に伝えていくのは意外にも難しい課題です。書類や研修だけでは浸透しにくい想いを、オフィス空間を活用することで「自然と共有できる」状態に変えていく取り組みがポイントです。
本記事では、創業130年以上の歴史を持つ税理士法人グループが抱えていた「従業員の皆さまに企業の想いを伝えたい」という要望を出発点に、一般的な内装工事にとらわれない柔軟なアプローチを実施した事例をご紹介します。
※本コラムはTOKYO FMグループ「ミュージックバード」のラジオ番組に株式会社SPACE PRODUCE代表・小林佐理が出演した際の内容(Yahoo!ニュース記事)を元に総括した内容です。
1. 歴史ある税理士法人グループの課題
担当制でクライアントをサポートする税理士法人では、組織全体の方向性を社員一人ひとりへ共有することが課題となっていました。
歴史のある企業ほど、創業者様や歴代経営者様の想いを新しいメンバーへ伝える機会が限られ、せっかくの理念が活用されずに埋もれてしまうリスクが高まります。
こうした背景から、「明るさと遊び心」を通じて会社の考えを伝えられるオフィスデザインを求める声が高まりました。
2. 大規模改装だけが答えではない
「オフィスを変える」と聞くと、大がかりなリノベーションや設備導入を連想します。
しかし、今回の案件では企業ロゴや業績データをグラフィック化し、見せ方を工夫するなど、規模を問わず効果を得られる手段を選択しました。
グラフィック装飾の活用
企業ロゴや数字をユーモアあるモチーフに仕立てることで、来訪者の方や従業員の皆さまが思わず「これは何?」と興味を持つ仕掛けつくりを目指しました。こうした視覚的なインパクトは、書類や説明会だけでは伝えきれない企業の想いを、より印象深く届ける効果があります。
“見える化”による意識づけ
会社の実績や歴史をわかりやすい形で提示することで、従業員の皆さまが「こんなに成果を出してきた会社なんだ」と再認識する機会が増えます。その結果、企業の方向性や理念を自分事として捉えやすくなります。
3. “語りたくなる仕組み”がコミュニケーションを生む
オフィスのエントランスや廊下など、人の目に触れやすい場所へグラフィックを配置しておくと、来訪者の方から「このデザインにはどんな意味があるんですか?」と話題が上がりやすくなります。その質問に応えるため、従業員の皆さまは企業の理念やビジョンを改めて自分の言葉で説明し、理解を深めるきっかけを得ることができます。
こうした従業員の方が自発的に「語りたくなる仕組み」が組織全体の一体感を高めるポイントとなります。
4. 総合的なサポートを目指して
私たち株式会社SPACE PRODUCEは、企業が抱える課題をヒアリングし、デザインに落とし込むプロセスをとても重視しています。高コストな改装に踏み切る前に、効果的なグラフィックやレイアウトで問題を解決できないかを検討し、経営者様と従業員の皆さまが望む企業風土の実現をご提案します。投資対効果を考慮した上で、オフィス空間を通じて「理念を体感する」環境づくりを行うことが私たちのモットーです。
最後に
創業130年以上の歴史を持つ税理士法人グループが抱えていた「従業員の皆さまに企業の想いを伝えたい」という悩みは、オフィス空間を活かしたアプローチで解決に近づきました。硬いイメージにとらわれない遊び心を加えることで、企業の理念やビジョンが従業員の皆さまにとって身近なものとなり、社内外のコミュニケーションが活発になります。
オフィス設計に関するご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。