従業員エンゲージメントをオフィス環境に取り入れるメリット

#従業員エンゲージメント


従業員エンゲージメントという考え方が、意識されるようになってきました。
言葉の意味は、端的に言えば従業員の「I love company」という姿勢・意識です。
ここでは、オフィス環境、デザインからも、従業員に「会社に貢献したい」と思ってもらうためのアプローチができるのではないか、という部分に言及していきます。

従業員エンゲージメントとはどんな効果がある


従業員エンゲージメントとは、つまり「I love company」「会社に貢献したい」という従業員たちの姿勢です。
「従業員満足」「モチベーション」「ウェルビーイング」これらを提供できてこそ、
組織と従業員のベクトルが一致し、業績との相関関係も高まっていきます。それに伴って「離職率の低下」「採用費の削減」「企業業績の向上」を図ることが期待できます。
しかし、I love companyという精神は、何の施しもないところには生まれません。

オフィスワーカーにそんな感情を抱いてもらうためには、会社からの施しが必要になります。
そしてオフィス環境、デザインが、その一助となることは可能だと考えます。

従業員エンゲージメントが求められる背景


日本の人口は減少の一途で、高齢化に伴って労働人口も年々減ってきています。
挙げていったらキリがありませんが、それら負のスパイラルにより、企業の生産性は低下しています。

そんな中で、これからの企業は労働力の確保や採用強化が命題となるでしょうし、せっかく迎え入れた人材には、
優秀であればあるほど長く働き続けてほしいと考えるのが普通だと思います。

少し話は逸れますが、「返報性の原理」という言葉を知っていますか?
これは「相手から受けた好意や敵意などのアクションに対して、「お返しをしたい」と感じる人間にとってごく自然な心理」のことです。

かつての日本社会には、終身雇用の文化が根付いて、従業員にとっては、語弊を恐れずに言うなら、
新卒として入社してから、定年を迎えるまで面倒を見てもらえる、という環境がありました。

だからこそ、従業員は「会社に貢献したい」という意欲も芽生えたでしょうし、「I love company」と思えたのではないかと思います。

現在の日本において、終身雇用はほぼ崩壊したといっても過言ではなく、
先述の返報性の原理は成り立たなくなりました。つまり、会社と従業員の間に「LOVE」が存在しなかったのが、
バブル崩壊以降から近年までの日本の働き方です。

人口減少による日本経済の縮小、労働人口の減少という逆風の中で、
終身雇用に変わる「I love company」をもう1度作っていくのが従業員エンゲージメントという考え方です。

オフィス環境に従業員エンゲージメントを取り入れたケースと得られるメリット


case1 フリーアドレス・マグネットスペースの設置

フリーアドレスによって、オフィス内の自由な場所で働けるとしたら、
例えば部署間を跨いだ業務が必要な場合、その都度寄り添って働くことができますし、
フリースペース、マグネットスペースのような空間があることで、日々意見を交わしている人物たちとは異なるアイデアなどに触れる機会などにも恵まれます。

そうした環境で働けるからこそ、評価、賞賛されることもあるのではないでしょうか。

case2 ABWの実現

従業員が働く場所(オフィス内外にとらわれず)や時間を、業務内容やその時の気分などに合わせて、
自由に選択することができる働き方(ABW)を設けるだけでも、様々なメリットがあります。

都心の勤め先に通う近隣県在住の従業員にとっては、出勤時間が選べるだけでも、満員電車に乗る負担は減りますし、
そもそも在宅ワークが可能なら、より働きやすくなる可能性があります。

コロナウイルスによって必要になった感染症対策などへのリスクヘッジができてこそ、
ニューノーマルに対応できるのではないでしょうか。

case3 カフェスペースの設置

コーヒーがリラックスや精神的なリフレッシュを図るのには有効ということは有名です。
もちろんそうした直接的効果によって生産性が向上することもありますが、
そこに人が集まってくることで得られるイノベーションもあるでしょう。

しかも、リフレッシュした頭でもって交わされる会話の中からは、
より質の高い意見が出てくるのではないでしょうか。

case4 オフィス内託児所機能の新設

例えば、優秀な女性社員が出産と子育てで働けなくなったとしたら、
それは企業にとっては損失です。その女性社員自身も「本当は働きたい」と思っていたとしたら、
両者にとって望まない状況となってしまいます。仮に企業内託児所があったなら、その女性の休業は最小限で済んだでしょうし、

新たな人材確保も必要もなくなります。女性従業員としては、その先第二子を望みやすいはずです。

まとめ


多様性を認める社会においては、「何のために働くのか」「個々の働きがい」など、従業員それぞれに独自の考え方があり、
それらに対応できればできるほど、働きやすさを感じられると思います。

そうした働きやすさが、従業員個々人の自己実現につながれば、後々、返報性として会社にフィードバックされるはずです。