働く方の「切り替え」を支える空間設計

#従業員エンゲージメント

緊張感のある業務が続くと、どうしてもミスや判断の鈍化が起きやすくなります。ですが、それは個人の責任ではなく、環境が与える影響も大きいのです。本記事では、業務中に気持ちを切り替える“リセットポイント”の考え方と、空間設計の工夫について,株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
 
 

なぜ「リセットする空間」が必要なのか

緊張を伴う業務やミスが許されない作業を担う現場では、働く方の集中が極端に高まり、その分、心身に負担がかかりやすくなります。判断の遅れやイライラ、思わぬ言葉のすれ違いは、ほとんどが「脳の疲労」が原因です。
このような状況を防ぐには、短時間で気持ちをリセットできる空間を、執務エリアのすぐ近くに設けることが効果的です。特別な施設は必要ありません。大切なのは、そこで「一度思考を止めることができるかどうか」です。
 
 

オフィスにおける“リセットポイント”とは


“リセットポイント”とは、文字通り「一度気持ちを切り替えるための場所」です。業務用の椅子やパソコンが並ぶ空間とは明確に切り分けられた場所であり、ほんの2〜3分でも心と身体が緩む感覚を生むことが求められます。
設置の考え方としては、以下のような要素が効果を発揮します。

• 背もたれのある柔らかい椅子
• 外の光を感じられる窓際
• 軽い観葉植物や木目調の家具
• 会話が生まれない静かな場所

ポイントは、「あえて誰とも話さなくてよい空間」にすること。静けさや自然光のような“感覚を緩める要素”を取り入れることで、働く方の脳は自然とリセットに向かいます。
 
 

緊張を生みやすい部署にこそ必要な配慮

経理、法務、顧客対応、システム監視など、常にミスの許されない業務を担う部署では、無意識のうちに身体がこわばり、精神的な疲労が蓄積しやすくなります。
そのような部署には、すぐに立ち寄れる“逃げ場”のような空間があることで、働く方の気持ちは安定します。椅子に座るだけ、コーヒーを一杯飲むだけでも、「張りつめていた気持ちが少しゆるんだ」と感じてもらえる設計は、離職防止やモチベーション維持にもつながります。
 
 

家具だけでは「リセット空間」にならない理由

簡易ソファやカフェテーブルを置けば、それだけで気分転換になると思われがちですが、リセット空間に必要なポイントは「場の意図を伝える設計」です。
例えば、座席の向きを変える、照明の色温度を下げる、壁に柔らかい色を使うといった、心理的なスイッチを押す仕掛けがなければ、その場所はただの空きスペースになってしまいます。働く方が無意識に「ここは少し休んでいい場所だ」と感じられるよう、視覚・触覚・動線の3点から丁寧に空間を作り込むことがポイントです。
 

最後に

働く方がパフォーマンスを維持するには、集中を支える環境と、切り替える仕組みの両方が必要です。
ただ広いオフィスを作るのではなく、その中に「緊張を緩めるための場」を意図的に設けることが、結果として生産性の向上や定着率の改善につながります。

では、自社のオフィスにはその“切り替え”ができる場所があるでしょうか?
もし、明確に思い浮かばないようでしたら設計を見直すタイミングかもしれません。

株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。