週3出社で辞めない空間づくり

#従業員エンゲージメント

働き方の柔軟性が求められる今、オフィスの存在意義が問われています。フルリモートでもなく、フル出社でもない「ハイブリッド」が定着する中で、「出社したくなるオフィス」をどのように設計すべきか?
週3日でも高いエンゲージメントを維持し、働く方にとって心理的な“帰属”を育む空間戦略について、具体的な考え方を株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
 

出社したくなる空間には“理由”が必要

働く方が「出社してよかった」と感じる瞬間は、業務をこなす場面ではありません。誰かと意見を交わし、アイデアが生まれたり、雑談から新しい発想が生まれたりする。そうした偶発的な交流こそが、オフィスならではの価値です。

これを実現するには、無機質なデスク配置では不十分です。人の動線と目線、座る位置の心理的距離、周囲の音や照明などを丁寧に設計することが求められます。

“場づくり”には空間設計の知識だけでなく、人の感情や習慣を読み取る視点が不可欠です。これは、朝一夕にできることではなく、日々の現場観察と検証を繰り返した経験から生まれる発想です。
 

週3出社で機能する「関係性の再起動ゾーン」


週5で顔を合わせていた時代と違い、ハイブリッドワークでは関係性が“途切れやすく”なります。そこで必要なのが、出社日ごとに関係性をリセットし、再起動できる「接点をつくる空間」です。
たとえば、執務スペースとは別に、短時間の立ち話がしやすい“流動ゾーン”を設ける。

休憩室にゆるやかな仕切りと異なる照明を導入し、自然と会話が生まれる工夫を加える。そうした設計の積み重ねが、週3出社でも孤立を感じさせない関係性を維持します。
関係性の起点は“話しかけやすさ”です。出社の頻度よりも、その場でどう関われるかが、職場の空気感を大きく左右します。
 

物理的制約を超える「感情の定位置」をつくる

デジタルが進化しても、「この場所にいると気持ちが切り替わる」という“感情の定位置”は変わらず重要です。
空間のデザインで特に効果的なのは、五感に訴える要素を持たせることです。音の反響が落ち着くカーペット、ほのかに香る植物、朝の光を感じられる窓際の席など、小さな要素の積み重ねが「この場所は自分のためにある」と感じさせる要因になります。

この“感情の定位置”があるかどうかで、オフィスが「ただの作業場所」になるか、「戻ってきたくなる場所」になるかが分かれます。
 

デザインの前に必要なのは“観察力”

空間設計というと、先にレイアウトや素材の話が出がちですが、本来その前にあるべきは「現場をよく観る力」です。
誰がどのくらいの頻度で来るのか、どこで立ち止まっているのか、どの席がよく使われ、どこが避けられているのか?これらはすべて、オフィスが持つ“無意識の使われ方”を表しています。

オフィス設計のプロとして、私たちはまずここを丁寧に読み取ることから始めます。観察から設計へ、そして行動の変化へ。それが「辞めないチームづくり」に確実につながっていきます。
 

最後に

週3出社の時代において、オフィスは「物理的な場所」であると同時に、「感情をつなぐ場所」でもあります。
働く方が自然と戻ってきたくなる空間をどう育てていくか。その答えは、レイアウトの工夫や家具の選定にとどまらず、人の動きや感情に寄り添う“設計の思想”にあります。

ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。