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社員喫煙率を下げるためのオフィスづくりのススメ

#健康運営

タバコの値段は日に日に値上がりし、世代によっては喫煙開始当初と比べると2倍以上になっているという人も少なくないと思います。それでも辞められないぐらいに、ニコチン依存症というものは病気なのです。健康経営を考えるならば、喫煙者は減る方が企業にとって良いことは言うまでもありません。そんな悩みを抱える会社に、オフィスづくりからできる提案をしていきます。

喫煙者にだけに与えられる休憩とデメリット


よくタバコについての話題で問題となるのが、休憩時間や勤務時間についてのこと。喫煙者・非喫煙者にかかわらず、平等に与えられた昼休憩の時間にプラスαで、喫煙者は業務の合間合間で5分ないし10分程度のタバコ休憩を取ります。改正健康増進法などによって、近年は喫煙のためにオフィスから離れた場所へ移動しなければならないケースが多いため、その時間も長くなっているかもしれません。

非喫煙者からすると、喫煙者だけに余計に休憩が認められている、ないしは勤務時間が少なくて済むという状況です。不満を覚えるのは当然です。生産性の観点でも、両者には差があるのではないでしょうか。

喫煙者が考える喫煙のメリットとは


・イライラせずに済む
・タバコミュニケーション(喫煙所で同僚と取るコミュニケーション)
・リフレッシュ
・集中できるようになる

まず、ニコチン依存症は先述の通り疾患であるわけですから、喫煙者がタバコを吸いたくなってしまう感情は、ある種仕方のないものです。しかし、疾患であり、治療も保険適用にて行うことができるわけですから、すぐに辞められないとしても喫煙者が問題意識を持つことは大切なことです。

コミュニケーションやリフレッシュできる空間は喫煙所だけではない


実際に非喫煙者も例えば給湯室で出会った同僚と多少の立ち話をしてみたり、化粧室などで会話が盛り上がることもあるでしょう。そうしたコミュニケーションが、リフレッシュやアイデアの源泉となったりすることもありえます。つまり、タバコミュニケーションも完全に否定できるものではありません。ただし、「喫煙所じゃなくてもできるのでは?」というところは、考える余地があるでしょう。

コミュニケーションはリフレッシュルームで

これは会社の考え方も関連しますが、「タバコを吸いながらリフレッシュ・雑談・休憩ができる空間」があるように、タバコを吸う・吸わない関係なく「リフレッシュ・雑談・休憩ができる空間」は社内にありますか? いわゆる「リフレッシュルーム」のことです。コミュニケーションを目的に喫煙を行っている人に対しては、それを果たせる代替案があれば、わざわざ喫煙所へ行かなくても済むかもしれません。

非喫煙者も堂々と休憩できるという平等感


喫煙者が堂々と小休憩を取るための空間があるのに対し、非喫煙者にそれがないというのは、両者の間にネガティブな感情を生んでしまいます。これがあることで、「喫煙者×喫煙者」「非喫煙者×非喫煙者」だけではない「喫煙者×非喫煙者」のコミュニケーションも円滑にできるというメリットもあるのです。

福利厚生と掛け合わせで禁煙を実現していく


保険適用される禁煙外来ですが、その自己負担額を会社が負担するというような福利厚生を行っている会社もあります。そうやって、禁煙の手助けをするとともに、その時に役立つのが堂々と立ち寄れるリフレッシュルーム。もはや喫煙者にとって、小休憩は自分たちに与えられた「権利」という感覚を抱いている人も少なくありません。

それが禁煙によって失われるということで、禁煙に踏み出せないと考えている人もいるはずです。ですから、タバコを吸うという行為のみを「健康的に良いことではない」とし、その他の「コミュニケーションを取る」「リフレッシュを図る」ということに関しては全面的に認める。こういう姿勢が、禁煙を後押しできるのではないでしょうか。

「サボり」を容認するわけではい 運用に要注意


ここまで述べたことは、あくまで小休止の話であって、前提は前向きに働きたい社員たちに提供する環境するというものです。ですから、「サボり」「ずっと休憩している」ようなことが常態化してしまっては本末転倒となります。リフレッシュルームの運用ルールを定めたり、人事考課をしっかりと行うなど、そうした事態を避けられるようにしなければいけません。

まとめ


あくまで喫煙も禁煙、非喫煙も個人に認められた権利です。それを剥奪することはできません。しかし、会社として社員に健康的に働いてもらう、生産性を高めてもらうという観点では、さまざまな面プラスの効果よりもマイナスの効果の方が多いでしょう。ニコチン依存症は病気ですから、治療に協力するスタンスと、喫煙所という空間でしかできなかった、得られなかったメリットを享受できる空間を用意して、禁煙を考えている喫煙者のバックアップができると良いのではないでしょうか。