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インフルエンザとコロナウイルスの同時流行に備えたオフィスづくり

#健康運営

昨年末(2022年12月)、東京都は約3年ぶりに季節性インフルエンザの流行期に入ったと発表を行いました。冬場となって、新型コロナウイルス感染症との同時流行が危惧されています。そこで、あらためて人が集まるオフィスではどのような対策が必要なのかについて、あらためて見直す上でのアドバイスを届けます。

インフルエンザとコロナウイルス感染症の感染経路



季節性インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も主な感染経路は、「飛沫感染」と「接触感染」というところは共通しています。すなわち、これらへの対策が必要ということも共通しているのです。飛沫感染とは、感染者から発せられる会話中や咳、くしゃみをするときに飛んでしまうしぶきが侵入してしまうことで起きる感染。接触感染とは、感染者がくしゃみをしたときに口元を押さえた手(飛沫がついている)で触れたモノに、間接的に触れ、その後粘膜からウイルスが侵入することで起きる感染です。

飛沫感染対策


オフィスとしてできる飛沫感染対策は、これまでにも新型コロナウイルス対策として実施してきたアクリル板やパーテーションの設置は、季節性インフルエンザに対しても有効です。また、トイレのハンドドライヤーの使用は、飛沫を風圧で広げてしまう恐れがあるので、引き続きペーパータオルなどで対応することが望まれます。

また、デスクレイアウトの見直しで、社員同士が対面しないような配置を作ったり、それに適したテーブルなどを取り入れることも効果が期待できます。社員個々人には、密度の高い空間やそうなりがちな会議室などの密閉空間を利用する際には、引き続きマスクの着用をお願いする方が、感染リスクは軽減できるでしょう。

接触感染対策


こちらは飛沫感染対策と比べて、オフィスとして対策がしづらい(効果が見えづらい)ですが、共用スペースや備品などの清掃・除菌が効果的です。使った社員に対して、使用後の除菌・清掃をルール化しても良いかもしれません。こちらも同じく社員へのお願いとして、手指消毒、手洗いの徹底が必要となります。また、後述しますが、室温も22〜25℃になるように設定すると良いでしょう。

室内の温度・湿度の管理が感染率を抑えられる


オフィスは当然室内にありますので、どうしてもウイルスがたまりやすくなります。屋外に排出したくても簡単にはしづらいのが、気温の低い冬場です。高層階にあるオフィスでは、開閉したくても開けられる窓がないため、空気の入れ替えには空気清浄機を活用するしかありません。それらを行なった上で、湿度と温度の安定した管理が、季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の対策になることがわかっています。

湿度


ウイルスは低温の乾燥した環境下で増殖しやすいので、すなわち冬場にはそうなりやすいということになります。湿度の高い環境では、ウイルスの飛沫は地面に落下しやすい傾向があり、40%を下回ると落下速度がゆるやかになるため、空気中にあり続けてしまうのです。従って、室内の湿度を40〜50%以上に保つ必要があります。

温度


新型コロナウイルスは温度によって、感染力維持期日が変わり、温度が低くなるほどその期日が長くなるそうです。また、インフルエンザウイルスも、低温を好むことがわかっています。従って、室温を低くしないことが、接触感染の対策に効果があります。室温は22〜25℃を保つように心がけましょう。

健康的に無理せず働ける環境の提供する必要性


オフィスに出社するということは、同じ空間に複数名からなる人間が集まることにほかなりません。それならば、同じ空間に集まっている時間が短い方が、季節性インフルエンザやコロナに感染する可能性は低くなると考えられます。だからこそ、まずはハイブリッドワークを導入して、業務上出社が必要な社員、出社を望む社員はオフィスへ行き、マストではない社員はオフィス以外の環境で働けるような制度、体制づくりが、社内感染を抑えることに役立つはずです。

その上で以下は間接的な施策ですが、例えば敢えて密集した島型の席で働かずに済むようにフリーアドレスを採用することも1つの手段です。また、疲労やストレスによって免疫力が下がっている状態も、予防の観点ではあまり好ましいことではないかもしれません。リフレッシュできるような空間を用意したり、異なる体勢で働いたり(ずっと同じ姿勢でなくて済む)できるような環境を提供することで、仕事の効率性が上がり、結果として残業せずに済むのであれば、オフィスでの感染リスクは下げられるのではないでしょうか。

まとめ


季節性インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も、感染経路が似通っているため、対策も同じくして良いようです。コロナ禍になって以降、「ずっとやっている」という企業も少なくないかもしれませんが、インフルエンザに流行の兆しが見えるため、あらためてオフィス内を見直す価値はあると思います。また、コロナ禍が長期化していることから、社員の感染対策意識も以前より低くなっている可能性もあります。社内を再度確認してみてください。