オフィスの在り方が大きく変わる中、どのような環境を整えれば働きやすく、生産性を高められるのでしょうか? テレワークの普及や多様な働き方が進む中で、何から取り組めばよいのか悩む声も多く聞かれます。
本記事では、「ABW」「セレンディピティ」「プレゼンティーズム」といった視点を取り入れたオフィス設計のポイントを株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
1. オフィス環境の見直しが求められる理由
近年、多くの企業で「働き方改革」「健康経営(ヘルスマネジメント)」といったテーマが注目されています。しかし、「何を取り組むべきかわからない」「他社の事例を見ても自社には合わない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
特に、テレワークの普及により、オフィスの役割が変化しました。かつては「働くための場所」だったオフィスが、「コミュニケーションの場」「アイデアを生み出す場」として再定義されつつあります。
この変化を踏まえ、今の時代に合ったオフィス環境をつくるには、「ABW」「セレンディピティ」「プレゼンティーズム」といった新しい視点が欠かせません。
2. これからのオフィスに求められる3つのポイント
① ABW(Activity Based Working)—働く場所と時間を自由に選ぶ
ABWとは、仕事内容に応じて働く場所を選べる働き方です。
• 集中したいときは静かな個室で作業
• チームで話し合いたいときはオープンスペースを活用
• オンライン会議は専用のブースで参加
といった使い分けができる環境を整えることで、仕事の効率が上がります。
オフィス設計のポイント
✔ 固定席をなくし、フリーアドレス制を導入
✔ 集中スペース、ミーティングスペース、休憩エリアなど用途ごとにエリアを分ける
✔ オンライン会議用ブースを設置し、静かな環境を確保
ABWを導入することで、働く方それぞれが最適な環境を選び、効率的に働けるオフィスが実現します。
② セレンディピティ——偶然の出会いを生む仕掛け
テレワークが普及したことで、「たまたま会話をしたことで新しいアイデアが生まれる」といった機会が減りました。この偶発的な出会いを意図的に生み出すことが、オフィス環境の価値を高めるポイントとなります。
オフィス設計のポイント
✔ 休憩スペースやカフェエリアを設置し、部署を超えた交流を促す
✔ 固定席をなくし、毎日異なる人と隣になる仕組みをつくる
✔ 廊下やエントランスに、ちょっとした会話が生まれるデザインを取り入れる
こうした環境があることで、テレワークでは得られなかった「偶然の会話から生まれる発想」を促すことができます。
③ プレゼンティーズム—健康と生産性を両立させるオフィス
「プレゼンティーズム」とは、出社はしているが、体調不良などで本来のパフォーマンスが発揮できない状態のことを指します。
• オフィスの空調や照明が合わず、頭痛や疲労を感じる
• リフレッシュできる場所がなく、集中力が続かない
• 長時間のデスクワークで体の不調を感じる
といった問題があると、仕事の質が落ちてしまいます。
オフィス設計のポイント
✔ 照明環境を最適化し、ストレスを軽減する
✔ 高さ調整可能なデスクやエルゴノミクスチェアを導入し、姿勢の負担を減らす
✔ リラックススペースを設け、短時間の休憩を取りやすくする
※オフィスビルでは、窓が少なく自然光を取り入れにくい環境も見られます。そのため、照明の色温度や明るさを調整できる環境を整えることで、目の疲れや集中力の低下を防ぐことが可能です。
オフィス環境が快適であれば、従業員の皆さまの健康が守られ、生産性向上にもつながります。
3. オフィス環境改善の進め方
オフィス環境を見直すには、次のステップで進めると効果的です。
ステップ1:現状の課題を把握する
従業員の皆さまに「今のオフィス環境で不便を感じる点」についてアンケートをとり課題を洗い出します。
ステップ2:改善の方向性を決める
課題を整理し、どの部分を優先的に改善するか決めます。
ステップ3:デザインとレイアウトの計画
改善の方向性に合わせて、具体的な設計を考えます。内装デザインや動線の設計も重要なポイントです。
ステップ4:実施と効果検証
オフィス改修後は、一定期間が経過した後に再度、従業員の皆さまにアンケートを実施し、改善効果を確認します。
最後に
これからのオフィスは、単に「働く場所」ではなく、「コミュニケーションを生み出し、生産性を高める空間」であるべきです。ABW、セレンディピティ、プレゼンティーズムといった視点を取り入れながら、時代に合ったオフィス環境を整えることが重要です。
私たち株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。
ぜひ、お問い合わせフォーム からお気軽にご相談ください。