世の中がコロナ禍を経験して3年近くが経とうとしています。行動制限は緩まり、オフィスに出社する会社員も増えてきました。しかし、その光景はコロナ禍前と同じに戻る気配ではなさそう。オフィスワークとリモート・在宅ワークを組み合わせたハイブリッドワークが、増えてきているのです。そこで、ハイブリッドワークに対応するオフィスとはどのようなオフィスなのか、以下に解説していきます。
「働く場所を自由に選択できる」ハイブリッドワークとは
感染者数の増減とは別に、コロナウイルスへの対応として、様々な制限などが緩和され、ハイブリッドワークという言葉がビジネスの中では当たり前になり始めています。ハイブリッドワークとは、前述の通りオフィスワークとリモートワークをの掛け合わせた文字通りのハイブリッドな働き方のことですが、掛け合わせ方は会社や個々人の考え方によって異なるようです。
大きく分けると2パターンあります。業務内容やスケジュールに合わせてオフィスワークとリモートワークを選べる方法と、社員の希望(好み・働きやすさなど)に応じて分ける方法です。結局のところ、いずれも「働く場所を自由に選択できる」という考え方は同じです。
ハイブリッドワークによるメリット
出社が義務ではない働き方は、働き方の多様性を認めることにも繋がり、結果的に生産性の向上にもつながります。たとえば、子どもの育児があるためフルタイムで働くことができなかった人にとっては、自宅で働くことができるならもっと貢献できるようになります。
少子高齢化が加速する日本社会の中では、以下に労働力を確保するか、優秀な人材の流出を防ぐかということが、全ての企業の至上命題となるわけですから、働く人の家庭生活との両立を妨げるハードルとなる要素は1つでも少ない方が良いわけですから、ハイブリッドワークが求められるのは必然の流れと言えるでしょう。
ハイブリッドワークの広がりに見える、都心のオフィス状況
ザイマックス総研が発表する最新の都内におけるオフィス空室率は、この2022年第2四半期でも緩やか上昇しており、「必ずしもオフィスを都内の一等地に構える必要はない」と考えるようになっているということ。ハイブリッドワークが浸透する中では、賃料、社員の交通費(特に長距離)、移動時間などを考えてもコストパフォーマンスが良くないと判断する企業が増えているのだと推察できます。
ハイブリッドワークに必要な要素1 コミュニケーションの取りやすいオフィス
オフィス内などで働く場所を自由に変えられる、移動ができるフリーアドレスやABWという方式は、コロナ禍以前にも合ったスタイルですが、この3年ほどで導入されるケースが改めて増えています。その事実1つをとってもコミュニケーションの取り方を大切にしたいと考えている会社が増えていることがわかります。
会社も個人もイノベーション、コラボレーションを期待できる働き方ができることは、双方にとってwin-winとなることでしょう。反対に考えれば、コミュニケーションを取らずに黙々と一人でパソコンに向かう仕事なら、自宅やコワーキングスペースなどでも十分にできるとも言えます(そういう仕事をオフィスで行うことが禁止ということではありません)。
これからオフィス移転を考える場合には、コミュニケーションを円滑に取りやすくするためにも、カフェスペースを設けたり、座席以外にもファミレス席やマグネットスペースを設けるなど、オフィスデザインやレイアウトの面でも計算された設計施すなど、コミュニケーション機能を高めていく工夫が必要となります。
ハイブリッドワークに必要な要素2 可変性に富んだフレキシブルさのあるオフィス
アジャイルオフィスという言葉を知っていますか? 業務内容やその時々の目的に応じて仕様を変えられるオフィスのことです。フリースペースなどもその考え方に近いかもしれません。休憩にも使えれば、会議やセミナー、ちょっとした打ち合わせなどに使えるような機能を持ったオフィスが今後の主流になっていくと考えられます。
なぜなら、社員はオフィスに来たり、来なかったりするわけなので、〇〇室や〇〇をするエリアなどのような利用を限定するような空間は、デッドスペースにもなりかねません。コミュニケーションを取りやすく、なおかつ効率的にオフィスを活用するとなると、必然的にこのような機能を持たせる必要が出てくるというわけです。
ハイブリッドワークに必要な要素3 セキュリティ対策が十分なオフィス
社員がオフィス内だけで働いていた時代と異なり、リモートワークでは社員が仕事に必要な会社の情報などをオフィス外に持ち出すことが当たり前の状況です。だからこそ、セキュリティソフトを搭載したデバイスの貸与や利用上のルールの周知、教育の徹底などが求められます。
まとめ
働く場所が自由に選べる環境になっていくことが時流となっている中で、会社には変化が求められています。多様な働き方ができてこそ、働きやすさが感じられ、働きやすいからこそ業績を伸ばし、評価され、もっと頑張る。こんな望ましいスパイラルが生まれるのです。それを可能にするハイブリッドワークに適したオフィス環境を整備を検討してみてはいかがでしょうか?