オフィス移転は、会社が新たな門出を迎えることになる一大イベントです。社員には喜んでもらいたいですし、そのためには働きやすい環境を用意しなければなりません。一方で、どうしてもそれなりのお金がかかってしまいます。闇雲にコスト削減をしすぎると、社員満足は得られないでしょう。そこでどんなところに気をつければ良いか、アドバイスを紹介します。
ポイント1・ハイブリッドワークの導入で床面積の削減
コロナ禍により、出社することのリスクを回避するため、リモートワークが急速に広がり、当たり前になりました。仕事内容によっては、出社が欠かせないという人もいますが、出社しなくても問題なく仕事ができる人がいることがハッキリしたと思います。それにより、社員が出社するか、リモートワークをするかを選べるハイブリッドワークが様々な面で効率的であることがわかりました。
もちろん、コスト面でも同様です。通常営業がハイブリッドワークになるならば、社員全員がオフィスワークできるだけの床面積は必要なくなるからです。必要としている人間、部署が働けるだけのワークスペースを確保できていれば、それでオフィスとしての機能は果たされます。その分、リモートワーカーが増えることになるので、社内外のコミュニケーションが円滑に行えるようにする工夫は必要になりますが、毎月の賃料が減るのであれば、採算としてはプラス収支になることでしょう。
ポイント2・フリーアドレスやABWでコスト削減&スペースに余裕
ハイブリッドワークに伴い、導入する会社がより一層増えた印象のフリーアドレスやABW。フリーアドレスとは、複数のデスクや大きめのデスクなどを設置して、社員が自由に席を選んで仕事ができる方式です。ABWはフリーアドレスがオフィス内に限定した自由であるのに対し、自宅やコワーキングスペースなども含む考え方になります。個人の荷物は、それぞれのロッカーに入れて保管しておく必要があります。
これらがコスト削減に適している理由は、オフィス家具を減らすことができることです。また、直接的なコスト削減では有馬Sんが、それらが減ることによりスペースを有効に活用することができます。将来的な増床までのスパンを少しでも長くできるのであれば、長期的な意味でのコスト削減と言って差し支えないでしょう。
ポイント3・オフィス什器・家具はレンタルやリースなどを活用
オフィス什器は購入以外にも、レンタル、もしくはリースのどの方式を選択することができます。レンタルは、最終的な支払いが購入した場合の金額より大きくなりやすいですが、イニシャルコストを抑えるという意味では良いでしょう。途中で最新機種に切り替えたりすることも容易にできるというメリットもあります。購入はイニシャルコストが大きくなったり、モデルチェンジなどによる陳腐化リスクを負ったりすることがあります。リースは購入とレンタルの中間的な存在で、コピー機などはリースにするとメンテナンスが楽になるなどのメリットがあります。
ポイント4・分離発注方式を採用している施工会社に依頼
オフィス移転する際、設計・施工会社にデザインも工事も素材の購入までも、一切を任せることが多くなっているようです。しかし、設計・施工会社にすべてを任せる一括発注方式の場合は、中間マージンが発生してしまうことがほとんどなため、発注者としては、多めの費用を支払っていることになっています。
そうした事態を回避したいのであれば、分離発注方式の施工会社に発注するとよいでしょう。分離発注方式とは、施工会社がそれぞれの仕入れ先や工事先から見積もりを取得し、発注者が内容を確認して個々の会社と直接契約を結ぶ形態です。この方式であれば、中間マージンをカットできるとともに、施工会社を経由しての発注なので、統一感がとれていないというような事態は回避することができます。
まとめ
コロナ禍によってハイブリッドワークが一般的になり始めているのは、感染リスクや働きやすさという観点で社員のためでもありますし、社員満足度を高められたり、コスト削減という意味では会社のためでもあるということです。本文中にも記載しましたが、それを実現するための努力や新たなツールの導入など、新しいコストが発生することも否めませんが、会社にとってのコストという意味では、それなりに大きな支払いを伴う家賃や光熱費という固定費が削減されるのは望ましいことではないでしょうか。
特にポイント4の施工会社選びの部分は、あらかじめリサーチしておかないとわからない部分です。前もった入念なオフィス移転計画で、社員も会社も双方がハッピーになれるwinwinなオフィス移転ができるようにしたいですね。