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オフィスに潜む健康リスク! オフィス環境で社員のパフォーマンスを維持・向上させるには!?

#従業員エンゲージメント

従業員の健康増進を重視する健康経営という考え方は、アメリカから始まったものとされていますが、日本でも意識が向けられるようになってきました。反対に、オフィスで働く中で、どのような身体の不具合、症状はたまた病気などが考えられるのでしょうか。それらを回避するためのオフィス作りとともに考えます。

健康経営とは? なぜそれが必要なのか?


健康経営とは、経済産業省が公表ている資料によれば、「従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と記されています。これがなぜ必要となってきているのかというと、日本は少子高齢化社会にあり、労働力が今後少なくなっていくと考えられているから。

それならば生産性の観点からも、従業員がパフォーマンスを落とすことなく、長期的に働いてもらえるとが、新たな人材獲得と並んで大事になってくるということです。優秀な社員であれば、なおさら長く働いてもらいたいと思うのは当然のことです。それを、福利厚生の一環として提供できるのであれば、会社にとっても、社員にとってもメリットがあり、win-winの関係とすることができるはずです。

座りっぱなしのデスクワークも下肢静脈瘤になりやすい


「下肢静脈瘤」(かしじょうみゃくりゅう)とは、その名前の通り「下肢=足」の静脈に瘤(こぶ)ができる病気です。潰瘍ができて、炎症を伴ったり、痛みが出たりします。症状としては外見的に、血管が網目のようにはっきりと見えるようななったり、血管が瘤のようにボコっと浮き出るような症状が現れます。網目のような血管が見えているだけの場合、それ以外の身体症状は現れないことが多いそうですが、後者の場合は前述のように炎症が起きたり、足が浮腫んだりします。

この下肢静脈瘤は立ちっぱなしの仕事をしている人に多いだけでなく、足の筋肉を動かさない座りっぱなしのデスクワークの人も多いようです。原因は座りっぱなしになることによる血流の悪さにあるそうなので、そうならないようにするためにも、立って仕事ができるスタンディングデスクなどを設けたり、椅子をバランスボールなどしてみたり、レイアウトで例えば複合機までの歩行を促してみたり、あえて立地を駅直結ではなく、多少の歩行を伴う場所を選んだりすることも対策になるのではないでしょうか。

視力の低下はストレスも関係することがある


ストレスが原因となって、視力の低下したり、視野が歪んだりすることがあるそうです。熱心に働く中年男性に多く、これは精神的なストレスによって起こるということが医学的に証明されているといいます。自然に治ることもあるそうですが、再発することも多いため、必ずしも無視していい問題ではなさそう。

精神的ストレスの感じ方は、社員個々人で違いますから、会社として根本解決を図ることは難しいかもしれません。ただ、オフィス環境からそれらを軽減させられる可能性はあるはずです。リフレッシュルームなどを設けることももちろんそうですが、社員が社内の対人関係に悩んでいるのであれば、フリーアドレスなどで、その環境から逃れやすい仕組みを作って上げることも、意味をなすでしょう。

現代病・ストレートネックにご注意


首の骨は自然弯曲(曲がっていて真っ直ぐではない)しており、それによって頭の重さに耐えられるような構造になっているそうです。しかし、ノートパソコンやスマホを頭が肩よりも前に出たような姿勢で長時間見続けることが主な原因と言われています。それによって、前述の弯曲がなくなり真っ直ぐになってしまうのがストレートネック。首こり、肩こりや痛み、頭痛、めまい、吐き気、手の痺れなどが伴います。

個人のスマホ利用は、会社がどうこうできることではありませんが、ノートパソコンを覗き込む姿勢については、オフィス家具の調整や外部モニターの準備などを用意することで、ストレートネックになりにくい環境を用意することはできます。

まとめ


社員は消耗品ではありません。健康が保持されなければ、パフォーマンスや生産性は下がってしまいます。反対に、増進されるのであれば、さらなる活躍も期待することができるでしょう。本頁では、健康経営を考える上で、社員に起こりうる病気や症状とオフィスができる改善のアイデアを紹介してきましたが、物理的な環境の用意だけでなく、ルールや制度づくりでも防げるところはあります。例えば、30〜60分に1度は休憩を取るように促すなどです。こうした取り組みによって、離職者が減るなどの効果も期待できるかもしれません。