従業員の皆さまが「この職場で働き続けたい」と思えるオフィス環境を実現したい、とお考えの経営者の皆さまは少なくありません。
中小企業を取り巻く人材不足や働き方の多様化が進む中、空間設計や内装デザインの工夫によって、従業員の皆さまのモチベーションを高めながら定着率の向上を目指すことが重要です。
本記事では、株式会社SPACE PRODUCEが日頃取り組んでいる「人が辞めないオフィスづくり」のポイントと、背景にある考え方について解説します。
1. オフィスの快適性が企業に与える影響
オフィスは従業員の皆さまが長時間過ごす場所であり、その快適性が業務効率や定着率に大きく作用します。例えば、働く人の動線が整理されていないと、ちょっとした移動の度にストレスがかかり、コミュニケーションにも支障が出ます。
また、椅子のクオリティや配置、照明、空調といった基本的な要素が充実していないと、身体に負担がかかり、生産性が落ちてしまう可能性があります。そうした環境が続けば、従業員の皆さまにとって「ここで働きたい」という気持ちが薄れ、離職率が上がる要因にもなり得ます。
一方、レイアウトや設備が合理的で働きやすいと、集中力が高まり、必要な情報共有やコミュニケーションもスムーズに行いやすくなります。さらに、快適なオフィスは企業文化や経営者の皆さまの理念を発信する場としても有効であり、従業員の方の帰属意識やモチベーションアップにつながります。
2. 人が辞めないオフィスづくりの基本要素
人が辞めないオフィスづくりにおいて、最初に押さえておきたいのは「従業員エンゲージメント(企業や組織への愛着や絆)」を育む環境です。エンゲージメントが低いと、報酬面でわずかに条件が良い別企業に移るケースが多いのも事実です。逆にエンゲージメントが高まると、多少の困難があっても「ここでこそ成長できる」と感じ、離職を抑える効果が期待できます。そこで重視したいポイントは以下の通りです。
1. 情報共有がスムーズになるレイアウト
部署間の連携不足や部門同士の距離感は、オフィス内の物理的なレイアウトが原因となっている場合があります。コミュニケーションを活性化するためには、オープンスペースや気軽に意見交換できる打ち合わせブースなど、部署や立場を超えて話しやすい仕組みをレイアウトや内装でサポートすることが重要です。
2. 身体に負担をかけない設備
腰や肩に負担のかかる椅子や狭いデスクでは、集中して業務を行うのが難しくなります。健康状態を保つためには、人間工学に配慮したオフィス家具の導入や、適切な動線設計、心地よい明るさや空調の設定など、さまざまな要素を総合的に整える必要があります。
3. 企業理念が反映された空間づくり
ビジョンや価値観を空間へ反映させることで、働く方が自社の方向性を日常的に感じられます。たとえば、エントランスや共有スペースに企業の象徴となるデザインを取り入れるなど、見える形で理念を共有すると、一体感が生まれやすくなります。
3. エンゲージメントを高めるための設計アプローチ
SPACE PRODUCEでは、まず企業の課題を数値データやヒアリングを通じて可視化し、「なぜ離職が起きるのか」「どのような部分を改善すれば人が」辞めない状態に近づくのか」を丁寧に分析します。そのうえで、社内のコミュニケーション構造を見直し、配置デザインやインテリアを提案するのが基本的な流れです。
キードライバーの分析
人間関係や自己成長、健康など、従業員の皆さまが会社に愛着を持つために不可欠な要素を「キードライバー」として整理します。これを明確にしておくと、オフィス設計の優先順位が定まりやすくなります。
ソフト面とハード面の連動
「社員同士のコミュニケーションを増やす」という目標があるなら、フリーアドレス(固定席を持たない働き方)の導入だけでなく、適度に雑談や相談がしやすい雰囲気づくりを意識した環境設定が必要です。ハード(空間設計)とソフト(組織やルール)の両面を連動させることで、結果的にエンゲージメントが高まります。
4. SPACE PRODUCEが目指すオフィスづくり
私たちは「見た目を整えるだけ」の空間デザインは行いません。そこに集う方々が気持ちよく働き、企業が本来の力を発揮できるための土台づくりを目指しています。具体的には、以下の手順でプロジェクトを進めています。
1. 課題ヒアリングと現場調査
経営者の皆さまが抱えている課題や理想像を伺いつつ、実際に従業員の皆さまがどんな働き方をしているのか現場でチェックします。
2. エンゲージメント視点での設計
前段階の分析をもとに、エンゲージメントを阻害する要因を洗い出し、それらを解消するレイアウトや家具、照明、色彩の選定を行います。
3. 長期的なサポート
オフィスの稼働が始まってからも定期的にアフターフォローを実施し、計画通りの効果が出ているかを検証します。必要に応じて微調整を加え、より良い状態へ近づけることを大切にしています。
最後に
人が辞めないオフィスを実現するには、従業員の皆さまの健康や心理的安心感を守りながら、企業の理念やビジョンをわかりやすく空間へ反映させる工夫が大切です。オフィスづくりを通じて、組織全体の結束力や生産性を高めることは、これからの企業競争力を左右するポイントにもなります。
ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。
※今回の記事の内容は、2024年12月12日に放送されたTOKYO FMグループの
「ミュージックバード」での番組「週刊Nobbyタイムズ」で、私たち株式会社SPACE PRODUCE 代表取締役・小林佐理がお伝えしています。こちらのYahoo!ニュース記事もあわせてご覧ください。