Z世代の離職に悩む企業が増える中、見直すべきは「オフィスの空気感」かもしれません。おしゃれな空間をつくるだけでは定着にはつながらず、働く方の感情や価値観に寄り添った空間設計こそポイントです。本記事では、Z世代の「続けたい」を引き出す、オフィスデザイン手法を株式会社SPACE PRODUCEが解説します。
なぜZ世代は定着しにくいのか
「働きやすさ」とは何か。Z世代にとってそれは、待遇よりも“共感”や“空間の心地よさ”が含まれています。閉塞感のある間取り、声が届きにくいレイアウト、目的を感じられない空間では、日々の業務への愛着が持てません。つまり、オフィスが「自分の居場所」と感じられなければ、辞める理由が心のどこかに残ってしまうのです。
これまで多くの企業で、オフィス移転や改装に立ち会ってきた中で、特にZ世代の働く方々が“空間に対して敏感”であることを強く感じます。視覚的な美しさよりも、思いやりのある設計、過ごしやすさ、動線のストレスの少なさなどが、長く働きたいという意志に影響を与えているのです。
エンゲージメントを育むデザインとは
答えは、「機能性」だけでなく「感情的なつながり」を育てる設計にあります。最近ご相談が増えているのは、次のようなデザイン要素を取り入れた事例です。
1. 選択肢がある執務エリア
集中・会話・ひと息、それぞれの気分に合わせて働く場所を変えられる設計。個人がコントロールできるという感覚が、自律的な働き方につながります。
2. 等身大コミュニケーションが生まれる距離感
上司と若手が偶発的に言葉を交わせる“ゆるいつながり”の導線を意識した空間構成。視線の抜けや半個室型の打合せブースなどが役立ちます。
3. 一人時間を尊重する休憩スペース
スマートフォンで自分の時間に没頭できる場所や、外の光が感じられる静かなエリアの導入。こうした空間は、感情のリセットに役立ちます。
4. 自然素材や間接照明による心理的安心感
木目ややわらかい光が感じられる内装は、オフィスであることを忘れるほどのリラックスを与え、思考や雑談を豊かにします。
5. “目的”が伝わる空間づくり
「なぜこのデザインなのか」が働く方に説明できる設計。それにより、自分が組織の一部であることを自然に理解しやすくなります。
郊外立地でもできること
都心のような広さや資金がなくとも、できる工夫は多くあります。たとえば、既存什器の配置を見直すだけでも、導線や光の入り方は劇的に変化します。
理由は明快です。スペースの大小ではなく、そこで働く方の“行動と感情”を理解した設計がされているから。言い換えれば、「誰のためにこのオフィスを整えるのか」という軸がブレていないのです。
空間が人を動かす時代
今後、Z世代だけでなく、あらゆる世代の働く方が「空間によって仕事の質が変わる」ことを実感するようになるでしょう。だからこそ、オフィスのデザインは経費ではなく「未来への投資」として捉えるべきです。見た目だけに終始しない設計こそ、エンゲージメント向上への近道です。
最後に
働く方が「ここで続けたい」と感じる職場づくりには、正解がひとつではありません。ですが、その答えを見つけるためには、対話と観察、そして設計の知見が欠かせません。
ぜひお問い合わせフォーム(https://spaceproduce.jp/CONTACT.html)からお気軽にお問い合わせください。
株式会社SPACE PRODUCEでは、働く方のエンゲージメント調査やヒアリングを実施し、ただの設計・内装作業にとどまらず、経営者、従業員の皆さまにとって、より良いオフィス空間をご提供いたします。