磁石(マグネット)のように人が吸い寄せられ、自然と集まってくるような空間。そんな文字通りのマグネットスペースがなぜ、メリットが多いのか。どんなメリットがあるのかについて、詳しく解説していきます。比較的簡単に導入することができるため、検討中というバックオフィス業務の人は参考にしてください。
マグネットスペースとは
あらためてマグネットスペースとは、一言でいうと社員が集まりやすい「場所」のことです。定義される形、部屋などがあるわけではなく、集まりやすい場所を指す言葉です。もちろん、業務内容の関連性の有無にかかわらず、人が集まるのはなんらかの接触を図るためであることがほとんどなわけですから、言い換えれば、自然発生的にコミュニケーションが生まれる空間という説明もできるかもしれません。
定義が明確ではないゆえに、リフレッシュルームなどもその範疇に含まれる場合もあります。また、複合機や給湯スペース、自動販売機やコーヒーサーバー前など、社員がなんらかの目的をもって来る場所には、待ち時間ができたりすることで、人の集まりができやすくなります。そうしたところ、たとえばスタンディングデスクが1〜2台あれば、自然と会話が生まれることは想像に難しくないのではないでしょうか。
マグネットスペースを設けることで得られるメリットは以下が代表的なところです。
メリット1・コミュニケーションが活性化する
メリット2・リフレッシュ・ストレスフリー
メリット3・多目的に使用することができる
メリット4・デッドスペースの有効活用
マグネットスペースで生まれるコミュニケーション
マグネットスペースにやって来る社員は、部署も役職も性別、年齢までバラバラなはずです。たとえば新たな商品設計を行っているとき、ターゲットにちょうどターゲットになるような人間がいれば意見は聞いてみたいもの。それを会議室に呼び出して、堅苦しい雰囲気の中で言葉を求めるよりも、コーヒーサーバーの前で一服しながら、気軽に意見を述べてもらう方が、率直な意見が聞き出せることもあると思います。
他にも、部署が違って普段全く接点のない人間と関係性を構築できる機会なども生まれ、協業できる部分がわかったり、具体的な情報の共有、思わぬコラボレーションができることなども考えられます。業務発展だけでなく、省力化できることも見つけられるチャンスが落ちている場所なってくれるかもしれないのが、マグネットスペースです。
マグネットスペースでリフレッシュ・ストレスフリーを実現
出社している間、仕事に全集中することはなかなか難しいものです。ときには、息抜きも必要でしょう。仲間とたわいも無い会話に花を咲かせることもその方法の1つです。たとえば悩み事があって、あまり人に聞かれることなく仲間や上司に相談したい。でも、会議室を借りてまでするような話でもない。そんなときに、自分のデスクと会議室の中間のような役割を担えるのもマグネットスペースの良い点でしょう。
集中力がなくなってきたときの息抜きや、ちょっとした相談事が出来て、それがひと段落したらまた仕事に集中して取り組める。そんな環境を社員に用意することも、会社の役目と言えます。マグネットスペースを設けることは、「高く飛ぶためには、一度しゃがみ込むことも必要」ということを、会社が理解していること示す意思表示にもなるでしょう。
マグネットスペースを自由に活用する
社内の会議室は、どんなに多くてもやはり数に限度があります。会議室難民という言葉もよく耳にするぐらい、使いたいときに使えなかったりするものです。そんなときに、マグネットスペースが活用できます。急に打ち合わせの必要が出てきたとき、などには重宝することでしょう。
同じく、個人で行う業務で集中して行いたいときには、デスクを離れてワークスペースとして利用するのも良いですし、休憩時間に動画を見たりするのは、自席だと気が引けるというような人も、気兼ねなく利用できるでしょう。
デッドスペースの活用にマグネットスペースを
オフィスを作った当初の想定と違って、あまり人が立ち寄らず、利用されていない空間をデッドスペースと呼びますが、こうした空間を有効活用するのに適しているのがマグネットスペースです。「こちらは人が寄り付かないスペースに人を集めよう」という趣旨の話になります。
つまり「リフレッシュルーム」などのような空間を、新たに設けられるということ。先述のとおり、マグネットスペースには明確な定義はないため、そのように利用できる空間を箱として、ないしはエリアとしてはっきりと作ってあげることで、これまで述べてきたような活用のされ方が自然と発生するはずです。
マグネットスペースのデメリットと注意点
マグネットスペースにはこれまで述べてきたように、メリットはたくさんあります。しかし、会議室とは違って、個室ではなければ、誰でも出入りがしやすいこともあって、機密性の高い情報のやり取りなどには使いにくいということが挙げられます。また、マグネットスペースでの会話が盛り上がりすぎてしまうと、周囲にうるさがられてしまう可能性も否めません。ですから、マグネットスペースを利用している者と自席等で仕事をしている者との距離感に注意して設置する必要あります。
まとめ
マグネットスペースは、さほどコストをかけることなく設置することも可能です。しかし、そもそもオフィス自体が人員増加などで手狭になってきているということであれば、簡単とはいえなかなか実施することはかないません。そういうケースであれば人員増加の要因として業績好調という背景もあるでしょうから、オフィス移転の際に検討してみてはいかがでしょうか。