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女性が活躍できるオフィスとは? 働く環境から整える必要性を考える

#従業員エンゲージメント

「国土交通白書2021」では、企業における管理職に占める女性の割合が、諸外国と比較して最低、役員比率もワースト2(下から2番目)という結果でした。「女性活躍推進法」の改定なども行われ、日本企業の国際的な競争力の低下はこういうところの差もあるのかもしれません。では、女性が会社で活躍するためにオフィスがどうアプローチすべきなのかについて、解説していきます。

人口減少と少子高齢化の波と活躍したい女性の存在


日本では平成20年(2008年)を最後に、人口減少が続いています。加えて子どもの数は減り、加齢によって引退する人口は増えています。したがって、単純に労働力が少なくなっているからこそ、女性の活躍が必要になってきていますし、活躍したい・会社に貢献したいという女性が多いのも言わずもがなです。「活躍」の定義は曖昧なものの、前述の通り、日本における女性の役員や管理職の数はかなり低いのが実情。

そんな中、出産・育児のために退職などを泣く泣く強いられることが多かった日本社会ですが、それも徐々に減ってきているようです。内閣府の資料(※)によれば、世代別の労働力率が女性の場合、20代半ば〜30代前半にかけて落ち込んでいた過去があったものの、1981年、2001年、2021年を比較すると、その一時的な凹みがほとんど見られなくなっています。

参照

厚生労働省が発表した「令和2年の働く女性の状況」によると、労働力人口総数に占める女性の割合は 44.3%でした。しかしながら、その中の4割5分ほどは非正規雇用の女性となっています(パート・アルバイトを含めばもっと増える)。2021年に帝国データバンクが発表した調査によると、女性従業員の割合は平均で26.5%。前述の国土交通白書によれば、女性管理職の割合が13.3%、役員の場合は10.7%と、明らかに労働力の配分と違いが見られるのは、それも大いに関係がありそうです。

女性が活躍している企業とは結局「女性社員の多い会社」では?


働く女性のキャリアとライフスタイルを応援する女性誌『日経WOMAN』の発表する女性が活躍する会社として紹介されている企業を見てみると、1位・日本IBM、2位・アクセンチュア、3位・花王グループ、4位・アフラック生命保険、5位・りそなホールディングスと続いていました。

この中でアクセンチュア社は37.7%が全社員に占める女性社員であると企業HPにて発表しています。また、花王社はHPにて男女比が6:4であること、2007年以後の新卒の男女比が5:5であると明らかにしています。アフラック生命保険社の場合だと、女性の比率を49.4%であると自社HPにて発表しています(なお、管理職は管理職全体20.5%、役員は22.2%)。

ここまで見た中では、前出の帝国データバンクが発表した女性従業員の割合が26.5%だったことと比較して、単純に女性が働く割合が総じて高いことが示されました。

つまり、当たり前のことを言うようですが、女性がたくさん働いていることが、女性が活躍する企業、管理職・役員が多い(必ずしも「=女性が活躍している」とは言い切れないが)企業となっていると言えそうです。

結局のところ働く女性の分母を増やす努力が必要! オフィスづくりもしかり


厚生労働省が発表した「令和2年雇用動向調査結果の概況」によれば、男女の入職率・離職率は例年共に、女性の方が6%前後多い数値となっています。それだけ女性の出入りが男性よりも頻繁と言うことが示された結果でとなりました。その背景は様々だと思いますが、女性にとって働きにくい環境が多いと言うことも事実であり、そこにはオフィス環境も少なからず含まれていることでしょう。

中でも大きな要因となっているのが、妊娠・出産に伴う退職者。そこで辞めてしまう社員も辞めたくて辞めている訳ではなく、産休や育休、子育てに伴う急用などへの柔軟な対応が取りにくいことなどが根底にあるはずです。オフィスのハード面を見直すことも必要ですが、ルールなどのソフト面も改める必要があるかもしれません。

また、オフィス環境としては仮に託児所を併設するような余裕のある企業であれば、出産・育児に対応したオフィス作りができると思いますが、なかなか現実的ではないと感じる企業の方が多いでしょう。ですから、あとは男女差を念頭に入れた気遣いをオフィスに取り入れて、働きやすい環境を用意することに尽きます。

例えば、女性は不潔・不衛生の判断に匂いが大きく影響することがわかっています、女性は男性に比べて冷え性に悩む人が多いです。今までのオフィスは、少数派の女性に対して我慢を強いるような構造、デザイン・レイアウトが多かったと思います。こうした過去の当たり前を、女性を迎え入れるために作り替えたりする必要があるでしょう。

まとめ


具体的にどう言うオフィス作りをしたら良いかと言うことは、これまでにも多く記事にしてきていますので、下記リンクなどを参考に、レイアウト変更や移転を検討してみてください。

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